おすすめミステリー小説　国内編　その１

隠蔽捜査シリーズ　今野敏

読み始めた最初、主人公の『竜崎伸也』を“嫌な奴”だと思いました。たぶん皆さんも最初はそう感じるのではないか？と思います。それが読み進めていくうちに“変わった奴”その後“いい奴なのかも？”に変わると思います、たぶん。そんな癖のあるキャラクターが主人公の『竜崎伸也』です。

ちょっと何言っているかわかんないですけど。

と言われそうですが・・・

その竜崎伸也は警察官僚で現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っています。いわるゆキャリア組ってやつですね。総務部ということなので、事件の捜査などは行いません。
じゃあ、この小説は警察小説なのに事件は発生しないのか？というとそうではありません。
事件は発生するんです。しかも殺人事件が。
しかし、殺人事件の物語進行は主に伊丹刑事部長の方が担当します。この人は主人公竜崎の小学生時代の同級生で同期入庁という設定です。

この２人の間にも友情というか確執というか、なんとも言えない関係性が構築されています。

さらには竜崎家の家庭でもトラブルが発生します。
果たして竜崎伸也はどうなってしまうのか？

ちなみに竜崎伸也は国家公務員で、なおかつ、国家公務員は国と国民のことを第一に考える、という事を本気で考えている、ある意味本物の公務員として描かれています。

正直、かなりの変わり者ですが、まっすぐなので読んでいて清々しさすら感じます。
そういった部分も本作の魅力なのではないでしょうか。