おすすめミステリー小説ベスト5【国内編】

書籍

1、葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午

どんでん返し系ミステリーの最高峰と言っていい本作。
ハードボイルド調の内容にドキドキ、ハラハラと読み進めていくと最後にまさかの・・・
結末を知ってから読み返すと、いたるところに張られた伏線に驚愕。
まんまと騙されている自分に気が付くはず。
作者の構成力に脱帽です。
第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞受賞。

2、重力ピエロ 伊坂幸太郎

なんといってもお父さんの最後のセリフがかっこいいんです!

これ以上話すとネタバレになるので、ここまでにしておきますが、最後まで読み進めてもらえば分かると思います。

主人公『泉水』と二つ下の弟『春』。平凡なサラリーマンの『泉水』に比べ『春』には才能があった。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面するな真実とは?

3、64(ロクヨン) 横山秀夫

本作の主人公『三上義信』は元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官。

そう、広報官なのです。

つまり、刑事のように事件捜査は直接行いません。正真正銘『警察小説』でありながら、主人公が刑事でない。ゆえに捜査を行わない。という、かなり独特な作品です。
元々横山秀夫の作品は、刑事以外の警察関係者を主人公にした作品が多く、それでいて完成度がメチャクチャ高いという作品を世に送り出してきました。

本作もそんな作品の一つになります。そして最高傑作。(現時点での)

話の内容は、現在と過去の事件(これが『ロクヨン』と呼ばれる、昭和64年に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件)が交差しながら進んでいきます。

記者クラブ、刑事部、警務部、の争い中各陣営の思惑と利害が複雑に交差する展開は、続きが気になって、どんどん読み進めてしまいます。そして驚きの展開が・・・

2013年国内ミステリベストテン2冠、2016年日本人初の英国推理作家協会(CWA)のインターナショナル・ダガー賞候補作。

4、悪の教典 貴志祐介

本作の主人公である『蓮実聖司』は生徒から圧倒的人気を誇る教師である。しかし彼には裏の顔があった。そう、連続殺人鬼だったのである。他人の痛みに共感することが無いパーソナリティ『サイコパス』なのだ。

本作は、読者が主人公に共感しづらい部分がありつつも、それでもなお続きが気になり読み進めてしまうという、不思議な作品である。

5、魔眼の匣の殺人 今村昌弘

今作が2作目になります。前作『屍人荘の殺人』を読んでいなくても、今作は単独の話になりますので、特に問題ありません。ただ、前作を読んでいた方がより楽しめますので、可能でしたら前作を読んでから本作を読むことをお勧めします。

物語は主人公『葉村譲』が友人『剣崎比留子』と『魔眼の匣』と呼ばれる施設を訪れようとするところから始まります。
そして、たどり着いた魔眼の匣で巻き込まれる連続殺人。外界と唯一つながる橋が燃え落ちて発生するクローズドサークル。王道のミステリー要素を中心に、予言などオカルト的要素も盛り込んだ本作。

個人的には、ミステリーとしての完成度は、前作より本作の方が上であると思います。
張られた伏線が1つではなく、それによって謎解きが複数あり、伏線好きの私にはたまらない展開となっておりました。

シリーズ通しての謎となりそうな『斑目機関』など、まだ解き明かされていない部分があるので、今後の展開が楽しみです。

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